ドライ・マティーニが口をきく
さっきから、何度も手を出しそうになりながら
彼に気がつかれないように戻していた


横浜港に浮かぶレストランで、食前酒にキールを頼んでから
彼の手元に煙草がないのに気づいた

「煙草、辞めたんだ」

そういいながら、私の白地にブルーのパッケージに目をやり、つけ加えた

「でも気にしないでいいよ」


場所をかえて、ホテルのバー

カウンタに座り、私はいつものドライ・マティーニ
彼はギムレットを飲みながらバック・カウンターを見ている

間が持てなっくなり、その夜何本目かの煙草を手にとった
最後の一本だった

これを吸い終わったら、今夜どうするか決めよう
ドライ・マティーニに話しかけるように口をつける

黒い灰皿の中、片側に揃えた吸いがらに最後の一本を加える

すっと、目の前のカウンタに出された彼の手の中に
白地にブルーのパッケージが2つあった

「不自由はさせないよ」

いつの間に買ってくれたのだろう
これで、帰る言い訳がなくなってしまった

残り少なくなった、ドライ・マティーニがそう言っている




てな感じに、彼女の心を掴むためのカクテル講座。まずは基礎知識から‥…


ホーム